メルクリン・マガジン 2009/05

今朝、ドイツよりSAL便が届く。
メルクリン・マガジン 01/2009号だ。
もちろん、例の騒動前に発行されているので、それに関する記述はない。
今号は、2009年の新製品、最近メルクリンが力を入れているデジタルコントローラー、HOゲージのレイアウトの記事などなど。
今回もZゲージの記事が無いのはさびしい。
Marklin200901
メルクリン・マガジンはメルクリン・インサイダークラブというユーザーのクラブに入会すれば、クラブ誌とともに送られてくる。
https://www.marklin.com/
会費は、1年20$89$で、年6回のメルクリン・マガジンと会報、それとカタログと特別貨車の無料引換券(取扱ディーラーによって異なる)と、特別車両の引換券が送られてくる。
クラブ誌である、クラブ・ニュースの今号の記事は、今年の特別車両(インサイダー・カー)の紹介、企業のパブリシティによく使われる特別貨車のカタログ、毎年メルクリン博物館で発売されてきたミュージアム貨車の一覧など。
今号にはさらにもう3点、2009年の新製品カタログと紹介DVD。150年というロゴが大きく目立つ。
それと、今年の新製品である、23型蒸気機関車のリーフレット。
Marklin200902
相変わらずHOゲージのラインアップは豊富だ。
ヨーロッパ諸国に輸出用のモデルから子供用の入門セットまで。
大型模型である1番ゲージも最近充実してきている。
それにひきかえ わがZゲージは寂しいラインアップ。
宇宙怪獣のような顔をした232型ディーゼル機関車は、もともと東ドイツ国鉄で使われていたもので、東西統一により今も健在で、人気を博すると思われるが、σ(^_^)には路線が違うので食指が動かない。
いっぽう、23型のリーフレットには、1954年に発売された製品のカタログの1ページも。
さて、話は変わるが、メルクリンのその後については、スポンサーに名乗りを挙げている企業も数社あるようで、再建の道を歩み始めたようだ。
2006年に出資した英国の投資会社はメルクリンに、迅速かつ低価格な商品の供給のため、多くの改革案が出されたのだが、メルクリンは品質維持≒職人気質を望んだ ということのようだ。
管財人は、部品供給や製品保証も継続すると表明しているようだし、どうやら最悪の事態は免れたようだ。
また、メルクリンでは、「未来に向かってともに走ろう-私たちと一緒に-」というスローガンを掲げてHOゲージ特別貨車を発売するとのこと。
詳しくはLokShopのサイトをご覧ください。

メルクリン破綻

昨日は朝からメルクリン破綻の報に接し、落ち着かない一日であった。
しかし、ドイツでいう破産手続きというのは、日本でいう会社更生法あるいは民事再生法の申請という再建型会社整理ということらしいというのが判り、ちょっと落ち着いてきた。
実際、NIKKEI.NETの記事にも「当面、事業を継続し管財人の下で生き残り策を探る」とあるし、折りしも、ニュルンベルグで開催されているトイ・メッセにも出展しているという報にも接し、うなづくところでもある。
つまるところ、銀行が1月末期限の債務の借り換えを認めなかったこと。スポンサーである、英国の投資会社がこれ以上の追加出資を認めなかったため、キャッシュプローがショートしたということであろう。
「少子化やゲーム機器の拡大などのあおり」という記事にもあるが、これは日本でも同様のことでもあり、またメルクリンが放漫経営であったことも耳にしない。
いわゆる、サブ・プライム問題に始まる金融危機による欧州金融界の引き締めの犠牲となったのではないかと、模型・玩具業界の情勢には詳しくは無いが、憚りながら会計人の一人としてはそう考える。
メルクリンは、機関車トーマスやサーカス列車を組み合わせた入門セットをここ数年リリースしてきており、また、鉄道模型に対する一般の認識も日本に比べてはるかに理解がある環境にあったはずれある。
また、主力であるHOゲージに関してはTEEの50周年やメルクリン創業150年にあわせた新製品も発表され、デジタルコントロールに関しても新製品を投入してきており、新しい投資会社により積極的に展開を図ろうとしていた中に世界同時不況の犠牲となったのではないであろうか。
しかしながら、私の楽しんでいるZゲージに関しては、新金型での意欲的な新製品はあまりみられず、従来の製品の塗装替でお茶を濁しているのではないかと思える節もあり、現在ドイツで走行している車両についてはほんの一部しか楽しめない状況に追い込まれている現状で、カタログ落ちする定番の製品が続出する中、限定品で、オリエント急行の塗り替え版や戦後まもなくの新型急行列車を新金型で発表するという、日本のNゲージと似たような方向を探りながら、やはり市場規模の小さなZゲージは今回の破綻により切り捨てられるか、身売りもありえるのではないかとも思われる。
昨年、ある玩具問屋の破産後の処理の業務をお手伝いをさせていただいたが、売上は減少方向にありながら、単年度でみればそれほどひどいとは思われない状況にありながら倒産に追い込まれていた。
また、日本ではここ数年玩具問屋の破産が相次いでいる。
私見ながら、在庫の負担とこれを含む借入金の負担が大きな要素ではないであろうか。
どの商売でもそうであるが、会計上在庫は資産として計上されるため原価からは控除されているため、在庫を抱えている部分はいわゆる利益であり、借入金の返済もこの利益の中から行えなければキャッシュフローはショートする。
であれば、金型や開発費の償却の済んだいわゆる定番の製品は医薬品のジェネリックとは意味合いは少々異なるが、低価格で販売して裾野を拡げる役割を荷い、現行の華やかな列車やノスタルジー溢れる列車について購買者の意欲を殺がない程度に発売すれば...
とも考えるが、
日本においては、その魅力的な列車達は新発売時に購入しなければ、当分入手不可能か、オークションの転売族から高額で購入しなければならないという現状を考えれば、メルクリンはまだ良心的であり、他の欧州メーカーでは新発売時に購入できなければ当分入手不可能という日本と同様な状況、そして、それでも欧州鉄道模型メーカー業界の再編は例年のごとく次々とが合従連衡していることを思えば、抜本的な解決策などないのかもしれない。
一ユーザーの立場から言えば、カタログに掲載されている製品はいつでも購入でき、定番品は安価に入手可能というのが理想かもしれないが、それでは模型業界の存続など全く危ういのかもしれない。
どういう形になるかはわからないがメルクリンというブランドは残るであろう。
その中で、あるいは別ブランド名でも構わないがZゲージ自体が存続してくれれば、
魅力ある新製品がしばらくリリースされなくても、
不況で我が懐が寂しくなっているだけに、余計な出費も抑えられると思いつつ
メルクリン社の再建とZゲージの存続を願うしかないのかもしれない。

Zugbildung2 MIBA Report

さて、現在の列車編成はこのようにわかるのだが、過去の列車編成はどうだったのだろう。
特にメルクリンのZゲージは現行の車種が少なく、私の興味も訪独した頃のものが中心だ。
そこで、ネットや書籍を探すこととなる。
ネットというのは便利なもので、出版社が発売している書籍の詳細な内容も検索するように出来ている。
昨年、La vie du Railで紹介した、Trains d’ Europeの2冊も、TEEやInterCityの編成を知るには役立ったが、メルクリンといえばドイツである。
MIBAという鉄道模型雑誌の出版社からは、MIBA Reportという書籍が発行されており、この中で”Zugbildung”と題するものが4冊発行されている。
Zugbildung_miba
購入した順に紹介しよう。
Zugbildung (4)
DB-Reisezüge der Epoche IV
Zugbildung_m4
訪独した時は既にこの時代の末期であったが、TEEの全盛期 エポック4時代の旅客列車、TEEやICだけでなく一般の旅客列車も収録されている。
Zugbildung (1)
DB-Reisezüge der Epoche 3
Zugbildung_m1
メルクリンのZゲージを買い揃えていくとエポック3時代も徐々に増えてきた。
戦後から、蒸気機関車が牽引していた頃のラインゴルト号やTEEの創始期の列車が収録されている。
Zugbildung (2)
Güterzüge: Verkehr, Zugbildung, Betrieb
Zugbildung_m2
買いたいなと思った時は既に版元売切となった貨物編。昨年eBayで落札したもの。SallerがPayPalに対応していないため郵便為替で送金したため手数料負担が痛かった。
Zugbildung (3)
DRG-Reisezüge der Epoche II
Zugbildung_m3
ここまで揃ったので全巻揃えよういうことで第二次世界大戦前 エポック2の時代も。
ここで、エポックって何?という方も多いだろうと思う。ヨーロッパの鉄道における時代の区分で、各国によって同年代であっても異なる。
下表はドイツのもので、

1920-1925 1945-1950 1965-1970 1985-1990 2005-1010
Epoche I
Epoche II
Epoche III
Epoche IV
Epoche V
Epoche VI

現在ではエポック6に移っているようだ。ちなみにEpocheは「エポッへ」と読むらしい

Karte3 Fahrplankarte fuer Bus und Bahn

縦120cm×横80cmサイズの折りたたみマップで、裏表にそれぞれドイツ全土が1:750,000で描かれている。
そして別冊には、ベルリンが1:250,000で、13都市が1:375,000での詳細図と索引が掲載されている。
03fahrplankarte01
タイトルFahrplankarte fur Bus und Bahn. Deutschland 2004/2005
地図
出版社:Verkehrsclub Deutschland (2004)
言語:ドイツ語
ISBN-10:3933772036
購入先:Amazon.de
価格:11.96EURO
Fahrplankarteと題しているので、時刻表地図というか交通地図と訳すればよいのだろうか。
03fahrplankarte02
ドイツ全土の鉄道とバスのマップなのだが、
ICE,IC,ECなどRE・RB・S-bahn・U-bahnが私鉄やJRの都市近郊区間の車内の地図のように種別により色分けされ、停車駅もわかるよう描かれおり、しかも、列車頻度により線の太さが異なるという凝りよう。主要駅間の所要時間も掲載されている。
裏面は、Die touristidche Seiteとあるので旅行者用地図という意味だろうか。
03fahrplankarte03
表より少しシンプルで、保存鉄道や主な観光地、ハイキングコースなども描かれている。

Karte2 Eisenbahnatlas Deutscland

昨年秋にTrain24.deという通販サイトより購入した本の1冊。atlasと題していることからわかるように、ドイツの鉄道地図帳のことだ。
04eisenbahnatlas01
タイトルEisenbahnatlas Deutschland. Ausgabe 2007/2008
ハードカバー:231ページ
出版社:Schweers + Wall (2007)
言語:ドイツ語
ISBN-10:3894941367
購入先:Train24.de
価格:40EURO
04eisenbahnatlas02
1:300,000で見開き58.5枚の地図と、1:100,000の74都市の詳細図で構成されており、幹線・ローカル線、複線・単線、電化方式、狭軌路線、時刻表の路線番号や正式な路線番号など、多岐に渡って掲載されている。
04eisenbahnatlas03
また、詳細図ではメトロやトラムも掲載されている。
スイス版・オーストリア版が刊行されているほか、2008年版ではDVDに記録したデジタル版も出版されている。
ドイツ鉄道のファンには1冊手許に置いていたも損はないだろう。