京都南座 吉例顔見世興行

今年も、新型コロナウイルス感染症の影響により、いくつかの公演がキャンセルとなりましたが、それでもそれなりに、ミュージカル・オペラ・コンサートと鑑賞し、〆は、12月12日に京都南座で吉例顔見世興行。

演目は、第一部の晒三番叟と曽根崎心中。

これまでも、歌舞伎そこそこ観劇してきましたが、お初徳兵衛の曽根崎心中は初見。鴈治郎さんは、大阪商人の役ははまってますね。

歌舞伎といえば幕間弁当ですが、感染防止の観点から、席では食事を取れないのと、チケットは第一部だけでしたので、四条大橋を渡って東華菜館へ。

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計とのことで、以前から一度訪れたかったお店。お料理は、伝統的な北京料理とのことですが、子供の頃父に連れられで食べたミナミのハマムラにもよく似た味で懐かしい思いにひたりました。

大向こう 平成24年七月大歌舞伎

平成24年七月大歌舞伎ですので、6年以上前になります。
当時歌舞伎をお誘いいただいていたU先生より「大向こうで観てみませんか?」と声を掛けていただきました。
聞けば、U先生、一度 大向こうで掛け声を掛けてみたかったとのことで、乗りの良い私たちをお誘いいただいた次第。
この日は、当職の職域団体の厚生事業の歌舞伎観劇会にあたっており、開演前には観劇会参加の知己の方々とお会いしましたが、我々は別行動でエスカレーターを更に3階席まで登ります。

開演前にどの役者さんがどの屋号か番付に目を通しますが、俄には頭にいりません。

この日の演目は、「双蝶々曲輪日記」から引窓、「棒しばり」、「荒川の佐吉」の3題。

棒しばり以外は初見のためあらすじも頭に入っていませんので、どのタイミングで声を掛けてよいのやら。隣のU先生の掛け声に合わせ、一拍遅れ「松嶋屋」、見得に合わせて「高砂屋」役者さんの退場に「松嶋屋」

「棒しばり」は以前に狂言で観た演目です。
ベテランの大向うさんがこの日襲名の中村又五郎さんに、「待ってました三代目」と掛けるのを聞き、役者さんと大向うさんの息が合う醍醐味と肌で感じました。

「荒川の佐吉」は人情物で芝居に夢中になってしまい、掛け声どころでありませんでしたが、片岡仁左衛門さん、中村吉右衛門さんのご両所に「松嶋屋」「播磨屋」と、思い切って声を張り上げさせていただきました。

他の観客の皆さんの興を削がないかと冷や冷やものの大向う初体験でした。

翌平成25年2月の日本経済新聞には次のような記事が掲載されてありました。

歌舞伎の掛け声「大向こう」、飛び入りしていい?:日本経済新聞 2013/2/9/

機会があったら、またやってみたいと思いながらも、以後機会もなく現在に至っております。

十月大歌舞伎-雙生隅田川


今年三度目の歌舞伎観劇。或る人より、十月歌舞伎のお席を用意できますよとお声を掛けていただき、午後の部の「雙生隅田川」を。この度は、市川斎入丈、市川右團次丈の襲名披露と市川右近クンのお目見えもあり、しかも通し狂言。午前の部の口上もお聴きしたいところだけですが、やはり名作「隅田川」の流れをくむ「雙生隅田川」のお席をお願いしました。

いやゆる「すっぽん」の真横ですので、舞台まで近いです。

このように花道の真横です。


今日に備えて、絵本版「隅田川」で予め予習しておきました。


お芝居の楽しみの一つに幕間弁当です。いつも、どこのお弁当にしようかと迷いつつ、軽く済ませることが多いのですが、今日は「さくら」さんのちらし寿司をお願いしました。お肉とお魚のちらし寿司で、お得な気分でした。


原作では、梅若丸が亡くなって、母親の斑女御前が菩提を弔うという悲しい筋立てですが、今日は、実は双子の兄の松若丸が生きており、跡を継ぐという一応の大団円という筋立て。
右團次さんのご子息右近クンが双子の早変わりあり、右團次さん、右近クン、そして猿之助さん3人での宙乗りあり、大詰めでは、右團次さんが鯉攫みで、水しぶきをあげらの大立ち回りと見どころ満載のお芝居でした。


お芝居がはねた後は、長堀通の肴森に移り羊とワインで乾杯。
帰り間際に、別のお芝居を観劇のY先生が立ち寄られたので、お礼を申しあげる。
南座での顔見世のご案内もいただいており、松嶋屋さんの「菅原伝授手鑑」と「義経千本桜」という演目だけに悩ましいところですが、諸事情によりこの次はお預けの見込みです。

歌舞伎を観始めてから10年そこそこですが、今や毎年の楽しみとなっております。