オペラッタ「こうもり」-フェニーチェ堺

1月の「フィガロの結婚」に引き続き、3月19日(日)フェニーチェ堺でオペラッタ「こうもり」を観てきました。

開演は14:00。
主催は、堺シティオペラと大阪交響楽団

舞台には、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのように、花飾りが施されています。

大阪交響楽団の公式ツイートの画像で、舞台の様子が良くわかります。

さて、今回の公演はセミステージ形式ですが、セリフは日本語のため解りやすく、またゲストとして出演のオペラ歌手の福原寿美枝さんと藤田卓也さんにはパーティに招かれたゲストとしてアリアを披露していただくという趣向も仮面舞踏会らしい演出でした。もう一人のゲスト出演の茂山千三郎さんは、看守のフロッシュ役で第3幕から登場ですが、ユーモアを交えた演技で楽しませてくれました。

予備知識もないままの観劇でしたが、こうもり序曲で開幕、口笛奏者の農澤明大さんによるワルツやポルカの演奏、シャンパンの歌の合唱、舞台の花飾りと二人のゲストによるアリアと、ウイーンフィル・ニューイヤーコンサートとNHKニューイヤーオペラコンサートを合わせたような中身の濃いひとときでした。

また、次のオペラ鑑賞が楽しみです。

彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』

彩の国シェイクスピア・シリーズをようやく観てきました。2月5日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでの『ジョン王』。彩の国シェイクスピア・シリーズの第36弾として2020年に公演予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により公演延期となっていました。

彩の国シェイクスピア・シリーズは、以前から興味があったのですが、なかなかスケジュールが合わず、ヘンリー8世のチケットを抑えたものの、こちらも、新型コロナウイルス感染症の影響により公演延期となり、再演もスケジュールが合わず断念した経緯がありました。

ジョン王は、全ての役を男優が演じる「オール メール・シリーズ」で、シェイクスピアの時代の上演形式らしく、歌舞伎とも似ています。

配役は、本作の主人公 私生児フィリップに小栗旬。タイトルロールのジョン王は吉田鋼太郎、演出もされています。

小栗旬が出演されるということで、会場には若い女性が多いこと。

小栗旬は大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」では、北条義時役で出演していましたが、北条義時が活躍した12世紀末から12世紀初頭にかけては、ちょうどジョン王の治世とも重なります。ジョン王役も、当初は「鎌倉殿の十三人」で和田義盛役で出演していた横田栄司の予定でしたが、吉田鋼太郎が代役となっていました。

やはり、吉田鋼太郎の怪演ぶりが印象に残りますが、他の役者さんの演技も濃いこと。特に女役の中村京蔵は歌舞伎役者でもあるので当然としても、玉置玲央、植本純米も個性的でした。逆に小栗旬は、冷静沈着といった彼のイメージどおりのため、少し印象に薄い感がありました。

途中休憩を挟み約3時間。予備知識もないままの観劇でしたが、筋立てもわかりやすく、飽きない内容でした。

ミュージカル「ロミオとジュリエット」・オペラ「ファルスタッフ」を除いて初めてのシェイクスピア劇。彩の国シェイクスピア・シリーズは完結しましたが、再演があれば、他の作品も観てみたいものです。

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2022 ラ・ボエーム

「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2022 ラ・ボエーム」を昨年7月に観てまいりました。

2021年10月のフェニーチェ堺での「ラ・ボエーム」に引き続き、2回目の「ラ・ボエーム」で、また、2021年7月の兵庫県立芸術文化センターでの「メリー・ウィドウ」に引き続き、2回目の佐渡裕芸術監督プロデュースオペラでした。

この公演は、2020年に公演予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、公演中止となっていました。

西宮北口駅から兵庫県立芸術文化センターに向かってベデストリアンデッキを歩く度、毎回ワクワクします

ロビーには、ルドルフォ達の住む部屋の舞台模型などが展示されてています。今回の演出では、屋根裏部屋ではなく、小船を部屋に見立てているよです。

最近は、舞台全体が見えて、声も良く聴こえますので、2階席最前列の席を押さえています

前年のフェニーチェ堺での公演では、ルドルフォ達の部屋をカフェ・モミュスに見立てていたため、華やかなパリのイメージを味わえなくて残念な思いをしましたが、今回は堪能させていただきました。

ロドルフォ達の部屋ですが、第1幕では小船でも良かったのですが、第4幕のミミの亡くなるシーンは、寒さと貧しさを感じさせる昨年のような屋根裏部屋のほうが合っていたなと思うのは欲張りでしょうか。

ストーリーは、悲しいお話ですが、美しいアリアに、聴き惚れます。

さて、今年の夏は、モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」

今から楽しみです。

二つのフィガロ ~ 「セビリアの理髪師」「フィガロの結婚」

昨年12月と今年1月、フェニーチェ堺(旧堺市民会館)で二つのオペラを観てきました。
2022年12月3日(土)「セビリアの理髪師」と、2023年1月22日(日)「フィガロの結婚」です。このふたつのオペラは、原作となったボーマルシェ作の「フィガロ三部作」という戯曲のうちの2作だそうです。

「NISSAY OPERA 2022 セビリアの理髪師」は、2022年12月3日(土)14:00開演でした。

動画は、2016年の日生劇場での公演です。

舞台装置の回転をうまく活かして場面も変わります。
理髪師のフィガロは勿論ですが、伯爵も結構コミカルです。
数々の名アリア、二重唱、三重唱、お芝居とともに楽しんだ2時間余りでした。

この日のプログラムとともにいただいたチラシに、「セビリアの理髪師」と対になる「フィガロの結婚」が一月に上演されることを知り、そのことを妻に話したところ、ぜひ観たいというので、早速チケットをネット予約。

「二期会オペラ フィガロの結婚」は、2023年1月22日(日)14:00開演しました。

  

動画は2016年の公演のPVですが、舞台の雰囲気は今回と同じです。

「セビリア理髪師」同様に楽しいオペラです。
こちらも、アリア、二重唱、三重唱などの数々。モーツァルトらしい軽快なメロディ。
「セビリアの理髪師」以上に聴きなれた曲の数々を堪能。帰りの電車の中も頭の中に曲が流れました。

皆さんご存知のように「セビリアの理髪師」と「フィガロの結婚」では、登場人物が共通している者がなん幾人かいます。伯爵・フィガロ・伯爵夫人、そしてもうひとり…

また、「セビリアの理髪師」では女中のベルタ役の種谷典子さんが「フィガロの結婚」ではスザンナ役で出演されています。

「フィガロの結婚」でもチラシをたくさんいただきました。その中でも思わず衝動買いした公演、チケットの発売が待ち遠しい公演…
今年もオペラを愉しむ一年になりそうです。

エリザベス女王・音楽

前回、「エリザベス女王・鉄道」で投稿しましたように、2022年9月8日、イギリスの女王、エリザベス2世が崩御され、9月19日にロンドンのウェストミンスター寺院で国葬が執り行われ、ウインザー城の聖ジョージ礼拝堂にフィリップ王配殿下の棺とともに埋葬されました。
SNSでは、動画やテキストが続々と投稿されましたので、その中からシェアして音楽に関して気になったものを中心に紹介していきましょう。

エリザベス女王がお亡くなりになった瞬間、バッキンガム宮殿には、虹が架かったとのことです。
エリザベス女の王崩御の報を受け、BBCプロムスはフィラデルフィア管弦楽団の演奏を中止して1分間の黙祷の後に英国歌とエルガーのニムロッドが演奏されたとのことです、
エルガーの行進曲「威風堂々」の1番の中間部には、「希望と栄光の国」(Land of Hope and Glory)の歌詞がつけられており、「イギリス第2の国歌」または「イギリス愛国歌」と称されています。
ルール・ブリタニア(Rule, Britannia!)は、イギリスの愛国歌で、BBCプロムス・ラストナイトでも、観客を交えて合唱されます。
エルガーの編曲による、聖歌の「エルサレム」も愛国歌として、BBCプロムス・ラストナイトでも、毎年演奏されます。
“I Vow to Thee, My Country ” は英国の愛国的な賛美歌で、グスタフ ホルストの組曲「惑星」の「ジュピター」に詩がセットされています。
エルガーの「エニグマ変奏曲」のうち、第9変奏 「ニムロッド」
(Nimrod)は、第一次大戦の戦没者追悼の式典で演奏されることから、追悼の場面でも多く使用されています。
大阪のPromsと言っては過言かもしれませんが大阪クラシック、2020年と2021年の最終日のアンコールでは、ニムロッドが演奏されました。
今年も演奏されるかなと思っておりましたが、ニムロッドの後に八木節では明暗の差があり過ぎるためでしょうか、2022年はマスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナ前奏曲でした。
英国女王エリザベス 2 世の国葬 – ライブストリーム
エリザベス 2 世女王の葬儀: 礼拝中に演奏されたすべての音楽のプログラム
Spotifyに登録されたエリザベス女王の国葬(Queen’s Funeral & Committal)のプレイリスト
イギリス国歌も、チャールズ3世の即位とともに、「国王陛下万歳」(God Save the King)となりました。
今年6月のエリザベス 2 世のプラチナ ジュビリー(即位70周年祝典)での「女王陛下万歳」(God Save The Queen)
ベートーヴェン:「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲
パガニーニ:「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲
ヨハン・セバスティアン・バッハの幻想曲とフーガ(BWV562)が流れる中、エリザベス女王の棺はウェストミンスター寺院を後にしました。
エリザベス女王専属のバグパイプ奏者による、セントジョージ礼拝堂で女王の棺が地下に降ろされていく際の「最後の演奏」です。


余談ですが、2015年にロンドンを訪れた折、9月19日は、バッキンガム宮殿の前を歩き、ウェストミンスター寺院を通りビッグベンの対岸までバスで移動しました。
日付が同じというだけですが、「縁」を感じます。

厳かに執り行われた9月19日の国葬を終え、イギリスの服喪期間は終わりました。
チャールズ3世新国王の下、総理大臣もリズ・トラスに代わり、新しい時代の到来が予感されます。

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