アラン・ドロン

フランスの俳優 アラン・ドロン(Alain Delon)が、8月18日に亡くなったとの報がニュースで流れてきました。

テレビでは数々観ており、チャールズ・ブロンソンとの共演の「さらば友よ」Adieu l’ami (1968) が印象深かったのですが、初めて映画館で観たのは「アラン・ドロンのゾロ」Zorro (1975) でした。

確か、サウンドトランクも買ったような記憶もあります。

次に観たのは、「エアポート80」The Concorde…Airport’79 (1979)
巷の評判はそれほどでも無かったそうですが、エマニエル夫人のシルビア・クリステルとのお決まりのシーンやシリーズ常連のジョージ・ケネディがパイロット役で登場とか、いろいろ楽しめて、私にとっては好きな映画の一つです。

また、CMにも数多く起用されており、紳士服の「DURBAN」やブランデーの「レミー・マルタン」(Rémy Martin)のCMを観て、大人になったら、ダーバンを着て、レミー・マルタンを飲むんだと思ったものでした。

さて、アラン・ドロンも、鉄道を舞台とした映画にも出演しております。
「お嬢さん、お手やわらかに!」Faibles Femmes (1959) 「さすらいの狼」L’insoumis (1965) 「高校教師」La prima notte di quieté (1972) 「真夜中のミラージュ」Notre Histoire (1984)  「 パリの灯は遠く」Mr Klein(1976)には、列車内のシーンが登場します。

特に「真夜中のミラージュ」Notre Histoire (1984) では、アラン・ドロン扮する自動車販売会社経営者がスイスの銀行で預金を引き出し、列車(TEE ヨーロッパ国際特急)でパリへ帰る途中、コンパートメントに訪れた女性と出会い、彼女を追いかけ途中下車したところから、物語は始まります。

二人が下車した駅は何処だろうと探してみました。
1984年1月までは、スイスからパリへのTEEはCisalpinoがミラノからローザンヌを経てパリまで運行されていましたので、ディジョンあたりかと思っておりましたが、背景の建物から駅はトロア(Troyes)と判明しました。列車はおそらくパリからバーゼルを経てチューリッヒに向かう元TEEのIC Arbalèteかと思われます。

そして、題名からも期待できる、「リスボン特急」Un flic (1972) では、パリを出発したリスボン行きの特急列車に、ヘリコプターから飛び乗ります。

ボルドーでターゲットはリスボン特急のワゴンリの寝台車に乗り込みます。

ヘリコプターでの追走シーンは、模型での特撮とスタジオセットです。

50年以上前の作品ですので、「ミッション・インポッシブル」のようにはいきません。

さらにもう一作、「サムライ」 Le Samouraï (1967) では、地下鉄を乗り継ぐ逃走シーンがあるだけでなく、プティ・サンチュール (Ligne de Petite Ceinture):パリ環状鉄道オルレアン サンチュール駅 (Gare d’Orléans-Ceinture) を舞台にちょっとした銃撃シーンが行われています。

30秒付近がオルレアン サンチュール駅に隣接する跨線橋銃撃の後の逃走シーン。
前後しますが38秒付近がオルレアン サンチュール駅。

もう一作品、紹介が漏れていましたので、追加します。
「仁義」 Le Cercle Rouge (1970) では、アラン・ドロン扮する主人公がマルセイユからパリまで、夜行列車の「Le Train Blue」に乗り込みます。ワゴンリの青い寝台車が連なるシーンは外せません。

トム・クルーズのように派手なアクション・シーンはありませんが、若い頃一番好きだった、洋画の俳優でした。
安らかな眠りをお祈りいたします。

007 – No Time To Die

スパイアクション映画007シリーズでも、列車でのアクションシーンが数々盛り込まれています。
2021年10月に公開された、第25作目の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」では、公開前からイタリアの駅頭でのカーチェイスシーンを織り込んだプロモーション動画やメイキング動画が公開されていました。

1:47付近で、列車の窓越しにジェームズ・ボンドの姿が少しでて映っています。
イタリアのカンパニア州サプリ駅で、このシーンは撮影されました。

ボンドウーマンのマドレーヌが乗車したのは、イタリアの高速鉄道 ETR400 / Frecciarossa 1000 
カナダのボンバルディアとイタリアのアンサルドブレダの企業連合から2013年にロールアウト。
イタリア国内を北に南に縦断しているとのことです。


「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の前作「007/スペクター」(2015年公開)でも、列車内のシーンがあります。

モロッコの北東 ウジダ(Oujida)とブアルファ(Bouarfa)を結ぶOriental Desert Expressです。

Oriental Desert Expressと名乗るだけあって、オリエント急行を彷彿する列車内のシーン

同じく、ダニエル・クレイグがジェイムズ・ボンドを務める2012年公開の「007 スカイフォール」においても鉄道を舞台にしたアクションシーンがありました。

トルコ南東部、シリアとの国境に近いアダナ市のヴァルダ鉄道橋(Varda Railway Bridge)

お決まりの列車の屋根上でのアクションシーンもあり、そして…
地下鉄駅での追跡シーンは、チャリング・クロス駅の廃止されたプラットホームで撮影されたそうです。
2013年2月には、DVDとブルーレイでのリリースを記念して、ロケ地のロンドンとスコットランド・エディンバラを結ぶインターシティ225が「Skyfall]」と名付けられ、ラッピングを施した特別列車がロンドン・キングスクロス駅007番ホームからエディンバラまで運行されたそうです。

ダニエル・クレイグの1作目、2006年公開の「007/カジノ・ロワイヤル」では、スイスからモンテネグロまで列車で移動するシーンがあります。
実際、スイスからモンテネグロへの直通列車はありません。チェコ鉄道680系電車「ペンドリーノ(Pendolino)」の車中と走行シーンです。

シートカバーもさりげなくČD(チェコ鉄道)からMEFT(モンテネグロ鉄道)となっています。

ダニエル・クレイグのジェイムズ・ボンドといえば、同じ2012年のロンドン・オリンピックの開会式での、このエリザベス女王のパフォーマンスには驚きました。
話はそれますが、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの閉会式での、リオデジャネイロから東京への引継ぎ式の安倍首相のパフォーマンスにも驚き、2020年の東京オリンピックに期待を寄せたものでしたが、結果は…

さて、ジェイムズ・ボンド役のダニエル・クレイグも「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」で降板。
次回作では誰が演じるか楽しみです。

ミッション: インポッシブル 7

「トップガン マーヴェリック」が公開上映中です。日本公開に先立ち、トム・クルーズが来日しましたが、同じくトム・クルーズが主演のミッション:インポッシブルの7作目が「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」として、ようやく2023年に公開が決まり、そのプロモーションビデオが公開されました。

おなじみのカーチェイスのほか、蒸気機関車に牽かれたアイボリーとブルーの客車が登場します。

海外ポップカルチャー専門メディア Webメディア THE RIVER の2020.10.6付記事によりますと、2020年8月にノルウェーにおいて、列車上でのアクションシーンが撮影されたようです。

Twitterには、Britanniaクラス蒸気機関車にフランス風の装飾を施し、イギリスからノルウェーに運ばれたとの記事が投稿されていました。

また、ノルウェーでの撮影の目撃情報もTwitterに多々投稿されていました。

年が変わって2021年4月には、イギリスにおいて、ミッション: インポッシブル 7の撮影が行われ、アクションシーンのほか、蒸気機関車や客車が鉄橋から落下する動画が、TwitterやYouTubeにアップロードされました。

https://twitter.com/MissionImpFR/status/1386241401818656768

撮影では、鉄橋からの落下ですが、予告編の動画でも見られましたように、石造りの橋からの落下に編集されているようですね。

ところで、1986年公開のミッション: インポッシブル の1作目では、TGVの屋上で派手なアクションシーンがありました。

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」来年の公開が楽しみです。

また、続編のPART TWOでも鉄道が舞台になると良いですね。

ジャン=ポール・ベルモンド

フランスの俳優 ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo) が、9月6日に亡くなられたという投稿がSNSのタイムラインに流れてきました。

ジャン=ポール・ベルモンドといえば、アラン・ドロンと共演した、ボルサリーノ(1970)ですね。
ジャン=ポール・ベルモンドは、鉄道ファンだったという説もあり、相続人(1973)の撮影にあたっては、展望車の修復のスポンサーを務めたそうです。

また、アクション・スターとしても活躍し、恐怖に襲われた街(1975)では、メトロの屋根の上を駆け巡ります。
大頭脳(1968)では、フランスのディーゼル機関車が牽引する現金輸送列車を襲撃します。

アマゾンの男(Amazone 2000)では、キューバの蒸気機関車が疾走します。

安らかな眠りをお祈りいたします。

映画 Love in The Afternoon

駅は、出会いと別れの交差点とは言い古された言葉だが…
映画ネタをもう一つ、2008年7月のmixiへの投稿から
邦題「昼下がりの情事」
主演 オードリー・ヘップバーン
アリアンヌ(オードリー・ヘップバーン)の精一杯の背伸びには微笑ましく、
フラナガン(ゲーリー・クーパー)が小娘の虜になっていく様子に中年男の哀愁を感じてしまった。
この映画もラストシーンが素晴らしい。
お決まりのハッピーエンドなのだが、娘を暖かく見守る父親も名脇役だ。
そして、鉄ヲタにとっては、プラットホームに並ぶワゴン・リの客車こそ名脇役か

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