曲の速さ

某北新地のバーで隣客より、「以前に上岡敏之&ヴッパータール交響楽団のマラ7を横浜に聴きに行ったんだけど、結構長かったんだよね。CDへの収録も1枚に収まらず2枚になったんだけど、1枚の値段で予約受け付けてたから、2枚になっても値上げ出来なかったんだよね」ということをお聞きしました。
そのCDは↓


上岡敏之/ブルックナー:交響曲第7番 [COCQ-84841]

ブルックナー (1824-1896)/Sym 7 : 上岡敏之 / Wuppertal So

その昔、カラヤンがソニーの社長に対してCDの収録時間をベートーヴェンの第9がすっぽり納まる時間にと言ったというエピソードがありますが、
東急ジルベスターコンサート 2012-2013/では、曲を演奏しながらカウントダウンをするわけですが、うまく会わない年もあるそうで、
どうやら、演奏家により曲の長さというものは違うということが判りました。
で、検索をしているとニコニコ動画にこのような動画がアップされていることを見つけていたのですが、
この機会に紹介しましょう。

アーノンクール、インマゼール、カラヤン、クーベリック、コープマン、ジュリーニ、セル、ブリュッヘン、フルトヴェングラー、ベーム、ワルター6人の指揮者によるモツ40冒頭部とのこと

ベーム、バーンスタイン、カラヤン、フリッチャイ、クライバー、ムラヴィンスキーの6人の指揮者によるベト7・第4楽章の終結部とのこと。
先日のマリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団の7番はというと、爆速でもなく、鈍重でもなく。
程よい快速で、かつ熱演だったと思います。
知っている人には知っていることなんでしょうが、ちょっとした発見でした。

ランメルモールのルチア/ナタリー・デセイ

昨年、業界団体の外郭の社団法人の役員に就任し、月一程度会議のために東京に出張していたのだが、来年末に実施されるシステムの置き換えの携わることとなり今夏以降出張が増え、この日も隔日で会議が開催されることとなった。
そこで、中一日おいて東京日帰りも辛いので連泊してのんびり過ごそうかと考えていたところ、折よく、ナタリー・デセイ(ドゥセ)が「ランメルモールのルチア」をサントリーホールで歌うことを知り、迷ったあげくチケットを押える。
公演は会議当日の19時開演のため、会議終了後のメンバーとの歓談を控えめにして、目黒経由南北線で六本木に。
サントリーホールl
地下鉄を降りると、そう多くはないが人の波は会場方向に動いているので迷わずにサントリーホール前のカラヤン広場にたどり着く。
ここが、数々のコンサートが開催されたサントリーホールかと思うを感慨もひとしお。


実は、オペラを観たのは、2009年11月 大阪厚生年金会館でのプラハ国立歌劇場「アイーダ」の一度きり。
後は、DVDやテレビ、インターネットでの鑑賞
ポスター
今日は、ワレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場管弦楽団 日本公演の一つとして、コンサート形式で開催された。


10日には大阪のシンフォニーホールでもコンサートが開催されていたようだが、ナタリー・デセイの公演はこの日のみ。
泡物
開演前はお決まりの泡物で喉を潤しちょっと一息


ホール内
チケットを取ったのは公演間近だったので席もそう残っておらず、また初めての会場なため不安だったが、ご覧のとおりソリストが目線の高さに座る位置。しかもデセイの座る側という好位置。音響的にはもう少し後ろが良かったらしいが。


と前置きが長くなったが、公演は定刻を少しまわった頃、オーケストラのメンバーの入場の後、ソリスト・指揮者が入場し、公演開始。
デセイは黒のドレス。
私ごときが公演について記すのはおこがましいが、初心者の感じたことなど。
マリインスキー歌劇場管弦楽団はロシアの名オーケストラなのだが、映画「オーケストラ」を髣髴させるロシアの香り。
ゲルギエフの指揮は、これぞまさに爆演。連日の公演の疲れなど感じさせないスピードと迫力。タフです。
オーケストラの皆さんはちょっとお疲れがあったかも。
デセイの声も最初はオーケストラの音が勝っていたが、徐々に調子が乗ってきた。せっかく目線の高さが同じなのに、一度も目が合うことがなく残念。
コンサート形式のため、衣装や振りがなく歌もイタリア語のため字幕が頼りだが、徐々の曲に魅かれ字幕を見ずに曲を聴くことだけに。
弦の音色、管の迫力にオペラはオーケストラの音楽なんだとつくづく感じる。
この日の聴衆は慣れた方が多いのか、拍手・ブラボーの声も指揮棒が降りるタイミング待つかのように余韻を残して。
第2幕フィナーレの6重唱で休憩に入るが、この6重唱も迫力があって、その余韻を冷やすように館外に出て、ソフトドリンクで一服。
後半はいよいよ「狂乱の場」
デセイの独唱が続く。最初は淡々と歌っていたかのように見えたが、いつのまにか熱唱。
舞台のように狂気こそは感じられなかったが、デセイの美声を十分に堪能できた。
オペラ歌手は歌手自体が楽器なんだとつくづく思う。
また、デセイ演じるルチアの相棒エドガルドを演じるエフゲニー・アキーモフは代役の代役ながら気迫でフィナーレに。
指揮棒が下りると、拍手は鳴りやまず、指揮者・ソリストは何度もカーテンコールに応じくれ、観客も総立ちに。
ロビーではゲルギエフのサイン会のアナウンスがされ、ネットで知ったところによるとデセイもサインに応じてくれたとかとのこと
しかし大崎で打ち合わせの続きが残っていたため、後ろ髪を引かれる思いで余韻を味わう暇もなく会場を後にした。
素晴らしいコンサートだった。私の言葉ではここには綴れない。
先輩諸兄が、ブログに記事を投稿されているので、詳しくはそちらをご覧いただきたい。


ドニゼッティ: ランメルモールのルチア (Donizetti : Lucia Di Lammermoor / Natalie Dessay, Valery Gergiev, Mariinsky Orchestra & Chorus) (2SACD Hybrid) [輸入盤] [日本語解説書・歌詞訳付]

ドニゼッティ (1797-1848)/Lucia Di Lammermoor: Gergiev / Kirov Opera Dessay Beczala Bannik Sulimsky (Hyb)

今回の来日公演にあわせCDも発売されており、チケット確保と同時に購入し予習にも活用。
日本語訳付というのが大いに助かった。
Pamphlet


ワレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev (芸術総監督・首席指揮者 / Artistic and General Director)
マリインスキー歌劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra
ルチア:ナタリー・デセイ(ソプラノ) Lucia:Natalie Dessay (Soprano)
エンリーコ:ウラジスラフ・スリムスキー(バリトン) Enrico:Vladislav Sulimsky (Baritone)
エドガルド:エフゲニー・アキーモフ(テノール) Yevgeny Akimov (Tenor)
アルトゥーロ:ディミトリー・ヴォロパエフ(テノール) Arturo:Dmitry Voropaev (Tenor)
ライモンド:イリヤ・バンニク(バス)  Raimondo:Ilya Bannik (Bass)
アリーサ:ジャンナ・ドムブロフスカヤ(メゾ・ソプラノ) Alisa:Zhanna Dombrovskaya (Mezzo soprano)
ノルマンノ:水口聡(テノール) Normanno:Satoshi Mizuguchi (Tenor)
グラス・ハーモニカ:サッシャ・レッカート Glass Harmonica:Sascha Reckert
新国立劇場合唱団 New National Theatre Chorus

大阪クラシック 2012

Pamphlet
昨年秋に市長が替わってどうなることかと思っていたが、大フィル以外にも間口を拡げて開催された今年の大阪クラシック
初日のオープニング公演ではちょっとハプニングもあったようですが。


Symphony Hall
2年ぶりのシンフォニーホール
役員と務める社団の総会を控え会議出張と重ならないかとと心配したが、出張前日に、良いプログラムが開催された。


Program
「究極(9曲)のベートーヴェン!!」
ベートーヴェンの交響曲の1番から9番のそれぞれの第1楽章を一挙に演奏するという豪華なプログラム


まずは、1番から5番までを一挙に演奏。指揮はもちろん、大植英次
この人の指揮は動くは動くは大きく動く。ConductorというよりまさにPerformer
1番2番と馴染みの薄い曲から、3番「英雄」5番「運命」と徐々に盛り上がって前半終了
というところだが、休憩時間は大植さんのトークタイム。
これが聞きたくてという人も多いようだが、この人の話は聞き取りづらい。
何を話しているのか解らないところがあるのだけれど何故か面白い。
後半は6番「田園」から。7番はまさに爆演。
最後は第9。賑やかだけど物悲しい曲。今日のコンサートもこれでおしまいという気分と、9曲聴き終えたという達成感。
大植さんが、指揮棒と止めると万雷の拍手。
すると舞台に大太鼓やトライアングル、トロンボーンなどが登場し、第4楽章の最後の部分をアンコール演奏
あまりにも短くて???と気付くと演奏が止み、再び万雷の拍手。
客席はスタンディングオベーションで拍手を送り、大植さんは何度もカーテンコールに応えてくれた。
パンフレットには1時間の公演と記載されていたが、時間も中身もいっぱいの演奏会だった。
大フィルのブログに当日の画像が掲載されているのリンクを紹介しておこう。

新垣隆/佐村河内守 交響曲第1番≪HIROSHIMA≫

今日は原爆忌
原子爆弾の犠牲になられた方のご冥福をお祈りいたします。
Dome


今年ほど、この日について考えさせられる年はないのではないだろうか。
原子力は「第二のプロメテウスの火」と喩えられることもあるが、この度の東日本大震災による福島原発の事故は、これを収束することが出来るか否かにより、このプロメテウスからの創造物として受入られるか否かに繋がる課題として、我々日本人だけでなく全世界の試練といえよう。
さて、今年話題のディスクの一枚、佐村河内守氏の交響曲第1番≪HIROSHIMA≫
氏が被爆二世・全聾の作曲家という衝撃的な報道を目にする余り、これまで避けてきたが、この日に合わせた訳ではないが、買い求めてみた。

【送料無料】佐村河内 守 / 交響曲第1番『HIROSHIMA』 大友直人&東京交響楽団 【CD】

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アフリリンクだけでは申しわけないので、youtubeに第3楽章がアップロードされていたので紹介しよう。
ぜひ聴いていただきたい。

バイロイト音楽祭

今年も7月25日からバイロイト音楽祭が始まった。
バイロイト音楽祭は、ワーグナーが自身のオペラを上演するために創設した、まさにワーグナーの音楽祭。

(c)Wikimedia Commons

バイロイト音楽祭というと、学生時代、NHK-FMが年末恒例番組として放映されていたのを2時間テープ何本も買い込みエアチェックしていたこともあるが、恥ずかしながら冬に開催されるものだと思っていた。
しかし、エアチェックしたものの、オペラのあらすじも知らずに聴いていたこともあり、当然面白さも理解できず、いつしかテープも行方不明となってしまった。
ホームページでは、アーカイブが充実しており、今年だけでなく過去の演目の指揮・演出・キャストもデータベース化されている。
Bayreuther Festspiele
7.25 8.01 8.07 8.13 8.19 8.25 Tannhäuser
7.26 7.30 8.06 8.12 8.18 8.24 Die Meistersinger von Nürnberg
7.27 8.02 8.08 8.14 8.20 8.26 Lohengrin
7.28 8.03 8.09 8.15 8.21 8.27 Parsifal
7.29 8.04 8.10 8.16 8.22 8.28 Tristan und Isolde
ヨーロッパのラジオ局では、この公演を生中継しているが、日本でもインターネットラジオを通じて聴くことが出来る。
Operacastというホームページには、連日オペラのプログラムが掲載されており、左のメニューにはBAYREUTH BROADCASTS 2011という特設メニューも設けらおり、バイエルン放送やイタリア国営放送、ハンガリーのバルトーク・ラジオなどで生中継を聴くことが出来る。
特に、バルトーク・ラジオでは3週間のアーカイブが保存されているので、生中継を聴き逃しても好きな時間に聴くことが出来る。
来年のための手控えを兼ねて利用方法を紹介しよう。
バルトーク・ラジオホームページ 右下のHangtar(番組表)から
MR3.Bartok Radioを選択
3週間分のカレンダー(Napter)から、上演日の
2011.07.25
を選択し、
15:55 Kapcsoljuk a Bayreuth-i Festspielhaust
時刻の右の三角のアイコンをクリックする。
Bartok
初日は、「タンホイザー」
2011.07.26 ニュルンベルクのマイスタージンガー
2011.07.27 ローエングリン
2011.07.28 パルジファル
2011.07.29 トリスタンとイゾルデ
ただし、テンポラリーファイルの容量の関係だろうか、通しで聴くことはできず、一度音声が停止すると、WEBページをリロードさせて、画面上部中央のタイムバーで途切れた個所から再生する必要があった。
オペラに関心なくても、上演開始直前に鳴らされるファンファーレ(各演目ごとに異なる)や、序曲・前奏曲だけでも聴いてみるのも面白いだろう。
タイムバーで、早送りや巻き戻しもできるので、「ローエングリン」の20:30頃からの「第3幕への前奏曲」「婚礼の合唱」を聴いてみるのもよいだろう。
昨年に引き続き、NHK-BSでも生中継で放映される。
今年の演目はローエングリン。現代風の新演出、ネズミの登場に賛否両論だったが、お盆休みでもありぜひ今年も生中継でトライしたいところだ。
NHK プレミアムシアター
■8月14日(日)22:10~[特別編成]
<生中継> バイロイト音楽祭2011から 歌劇「ローエングリン」(ワーグナー)